撮影のコダワリ

伝わるデザイン。
設計の想いまで写し取る。

建築を撮るという行為は、私にとって「残すこと」ではなく、「伝えること」です。 そこに込められた意図や空気、そしてこれからそこに生まれる時間までをも、写真というかたちで誰かに届けたい。その一心で、私はシャッターを切っています。

写真から心地よさが伝わる
光と空気の演出。

カメラの前に広がるのは、ただの建物ではありません。
それは誰かの情熱であり、夢であり、誇りであり、挑戦の証です。
そのすべてを尊重し、表現することが、建築写真家としての責任だと考えています。

だから私は、撮る前にまず「感じる」ことを大切にします。
現場に立ち、空気を吸い、光の流れを見つめる。
朝と昼、そして夕方。それぞれの時間帯で建築がどう変化するのかを観察し、
その空間が最も美しく語りかけてくる瞬間を探ります。

ただの記録じゃない。
「ここで過ごす未来」が
感じれるような1枚に

撮影においては、技術的な正確さは当然のこと。
しかし、それ以上に大切にしているのは、
写真を見たときに「この空間、なんかいいな」「ここに行ってみたいな」と
直感的に心が動く写真であることです。

設計者の想い、空間の心地よさ、そこで過ごす人の未来――
それらが写真からにじみ出るように、私は一枚一枚に心を込めています。

建築写真は、単なる記録ではなく、価値を届ける表現です。
時間が経っても色あせず、その建物が持つ魅力や意義を、
次の誰かに伝え続けられるような一枚を、これからも追い続けていきたいと思っています。